プロゲステロン投与日から胚移植までの子宮内膜の変化が妊娠率に影響する?

子宮内膜の厚さは明らかなメカニズムが解明されていませんが、体外受精際、子宮内膜が薄いと妊娠に悪影響を与えるという報告が多いです。
この子宮内膜の厚さが子宮内膜の胚受容性を表している可能性があります。
hCGまたはプロゲステロン投与後の子宮内膜の厚さの変化についてはほとんど知られていません。


今回ご紹介する報告は、子宮内膜の厚さの動的変化(胚移植の日対プロゲステロン投与の日)を記録し、子宮内膜の厚さの変化が初回凍結胚移植での単一胚盤胞移植の妊娠に及ぼす影響を調査しています。


2019年12月 Reproductive Biology and Endocrinology
”The impact of endometrial thickness change after progesterone administration on pregnancy outcome in patients transferred with single frozen-thawed blastocyst”


初回凍結胚移植(1757サイクル エストロゲン-プロゲステロン(EP)および1334サイクル 自然周期 )を受けた3091サイクルを対象とし、プロゲステロン投与日の子宮内膜の厚さと胚移植日の子宮内膜の厚さを測定し、臨床結果を比較検討しています。


<結果>
EPサイクルでは、胚移植日の子宮内膜の厚さが19.63%で減少し、自然周期ではさらに高く26.24%でした。
子宮内膜の厚さが増加するは臨床妊娠率も増加していました。子宮内膜の厚さが20%以上減少するグループでは、EPおよびNCサイクルでの臨床妊娠率はそれぞれ37.14%および32.35%と低く、子宮内膜の厚さが20%以上増加する群では、EPおよびNCサイクルの両方で臨床妊娠率はほぼ60%と良好な結果でした。さらに、子宮内膜が増加しない群と比較して、胚移植の日に子宮内膜が増加した群では、臨床的妊娠率が著しく高くなっていました(EP:56.21%対47.13% 、自然周期:55.15%対49.55%)。


<まとめ>
胚移植日の子宮内膜の厚さは、大部分でプロゲステロン投与日と比較して増加または横ばいでした。 臨床妊娠の結果と子宮内膜の増加率は正の相関を示していました。

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