経口GnRHアンタゴニストは子宮筋腫諸症状に効果がある

内服のGnRHアンタゴニストであるレゴリックスの保険適応として子宮筋腫の諸症状があります。レゴリックスは下垂体前葉のGnRH受容体を競合的に阻害するため、LHとFSHの分泌が直接阻害されます。LHを抑制することで、体外受精の排卵抑制効果にも注目されています。


今回、子宮筋腫関連疼痛を経験している患者における経口ゴナドトロピン放出ホルモン受容体拮抗薬(レゴリックス)の有効性と安全性を調査している報告をご紹介いたします。


2019年11月 Fertility and Sterilty
"Relugolix, a novel oral gonadotropin-releasing hormone antagonist, in the treatment of pain symptoms associated with uterine fibroids: a randomized, placebo-controlled, phase 3 study in Japanese women”


1日1回40 mgのレルゴリックス(n = 33)またはプラセボ(n = 32)を12週間投与されています。治験薬の最終投与の28日間に最大NRSスコアが1以下となった割合、痛みのなくなった割合(NRS = 0)および痛みのない日数、有害事象を調査しています。


<結果>
プラセボと比較してレルゴリックスを投与群の方が、治験薬の最終投与の28日間で最大NRSスコアが1以下でした(57.6%対3.1%)。最大NRSスコアが1以下の割合は、治験薬の開始から4週間以内に増加し始め、治験中に継続的に増加しました。同様に、プラセボに対してレルゴリックス群の方が、最大NRSスコア0(48.5%対3.1%)となり、痛みのない日数が多いといった結果でした(96.4%対71.4%)。プラセボと比較して、レルゴリックス群の方が、有害事象が発生していました(87.9%対56.3%)。しかし、治療中止率は低く、グループ間で差はありませんでした。有害事象はほてり、過長月経、多汗症、過多月経、およびウイルス性上気道感染などが含まれました。


<結論>
Relugolixは子宮筋腫関連の痛みを改善し、許容的でした。


新しい経口薬のGnRHアンタゴニストの日本における報告でした。勘弁な内服で筋腫の諸症状に効果がみられるようでした。

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