day7で胚盤胞となった正常胚はある程度妊娠する

生殖医療において、胚の選択は治療成績を上昇させるうえで最も重要であります。初期胚より胚盤胞移植を選択したり、新鮮胚移植より凍結胚移植を選択することで卵巣刺激により生じるホルモン環境の変化による有害な子宮内膜の影響を回避することで妊娠率を上昇させたりしています。
胚の発生に関して、発生遅延は胚の質の低下と生存率の低下に関連していると報告されています。PGT-Aされていないday7の胚盤胞の転帰を評価している報告は、day5/6の胚盤胞と比較して妊娠率および生児獲得率が低くなると報告されています。


今回PGT-Aを行い正常と判断されたday7胚盤胞の臨床結果を後ろ向きに検討している報告をご紹介いたします。


2019年9月 Human Reproduction
”What is the reproductive potential of day 7 euploid embryos?”


25 775個に栄養外胚葉生検およびPGT-Aを行いday5胚(n = 12 535)、day6(n = 11 939)、day7(n = 1298)の胚を分析しました。


正常胚の割合は、day5(54.7%)またはday6(52.9%)と比較してday7(40.5%)の胚盤胞で有意に低い結果でした。また、異数性胚の割合は、母体年齢の上昇とともに増加していました。交絡因子を調整後、day7に生検した胚は、day5胚の異数性の1.34倍、day6胚の異数性の1.26倍でした。


交絡因子を調整した多変量解析において、着床率、臨床妊娠率および生児獲得率は、day5/6胚と比較した場合、day7に生検した胚の方が有意に低い結果でした。しかし、流産率については統計的な有意差は見られませんでした。
胚の形態について検討した結果、形態良好胚が4BB未満の胚より成績が良い結果でした。


<まとめ>
当たり前かもしれませんが、day7正常胚しかない方はday5/6胚盤胞と比較すると妊娠率、生児獲得率は低下するが、妊娠する可能性があり流産率はかわらないという結果でした。

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