hCG・GnRHaどちらでtriggerしても正倍数率は変わらない

採卵する際、卵の成熟を促すため採卵の前々日にtriggerを行いますが、hCGで行う方法や、OHSSを回避するためGnRHaで行う方法があります。このtriggerの方法で胚の正倍数性が変わるか調査した報告をご紹介いたします。



"Euploidy rates between cycles triggered with gonadotropin-releasing hormone agonist and human chorionic gonadotropin"


PGT-Aを行った366人の2335個の胚盤胞生検を含む539IVFサイクル(hCG群336サイクル:GnRHa群203サイクル)を対象とし、最終的な卵成熟をhCGまたはGnRHaのいずれかを用いて行っています。
NGSを使い胚盤胞生検あたりの正倍数性の胚の割合、生児獲得率および流産率を調べています。


生検1個当たりで評価した場合、hCG群と比較してGnRHa群は、正倍数性胚の割合が高い結果でした。(37.8%:30.3%)。しかしながら、採卵あたりで評価した場合、この差は認められませんでした(11.9%:9.8%)


ただ、多変量解析を行った場合、trigger方法では有意差がなくなり、唯一の有意な予測因子は年齢のででありました。


生児獲得率と流産率は変わりはありませんでした(LBR:63.2%:59.7%、CLR:12.2%:11.5%)。


<まとめ>
この研究により体外受精において、hCG triggerと比較して胚生検1個あたりおよび採卵数1個あたりの正倍数性の胚の割合がGnRHα triggerの影響を受けない可能性が示唆されました。

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