子宮鏡検査にトラマドールを使用することで疼痛を緩和できた報告

こんにちは


本日は
”子宮鏡検査にトラマドールを使用することで疼痛緩和に有効であった”という報告をご紹介いたします。


2019年3月 Fertility and Sterilty
Efficacy and safety of tramadol in pain relief during diagnostic outpatient hysteroscopy: systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials


子宮鏡は子宮内腔を直接観察することのでき、不妊症での精査で重要な検査であり、外来で施行可能な検査です。通常あまり疼痛はありませんが、子宮鏡が細い部分を通る際の子宮頸管拡張および子宮腔の拡張することにより疼痛が出現することがあります。


メフェナム酸やセレコキシブは、子宮鏡検査後の痛みは軽減するが、処置中に生じる不快感を排除することはできないと報告されています。


トラマドールは、ノルアドレナリン/セロトニン再取り込み 阻害作用によって生じる非麻薬性の弱オピオイドで、鎮痛作用は通常、投与後1時間で始まり、2時間でピークに達し、4〜8時間近く持続します。


この報告を子宮鏡の疼痛軽減におけるトラマドールの安全性と有効性を調査しています。


子宮鏡検査を受けた488人、4件のランダム化臨床試験が含まれています。 209人にトラマドールが使用され、209人がプラセボを服用しています。
視覚的評価スケール:Visual Analogue Scale (VAS)
長さ10cmの線(左端「痛みなし」、右端「想像できる最大の痛み」)とし、現在の痛みがどの程度かを表すスケールを用いて評価しました。


<結果>
子宮鏡中VAS:トラマドール群がプラセボ群よりも有意に減少させた( -1.33cm)。
子宮鏡直後のVAS:トラマドール群がプラセボ群よりも有意に減少させた( -1.05cm)。
30分後のVAS:トラマドール群がプラセボ群よりも有意に減少させた( -0.98cm)。


安全性・副作用は両群有意差なし


<結論>
この系統的レビューとメタアナリシスは、トラマドールが子宮鏡中の疼痛緩和に効果的かつ安全な選択肢であることを示唆していました。


ただ、子宮鏡のみでは鎮痛剤を服用するほど痛みはないように思えます。子宮鏡が入りにくい方や処置をするような方には良いと思われます。

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