卵巣の反応が良い方に対する卵巣刺激

ESHRE(ヨーロッパ生殖医学会)が体外受精の卵巣刺激におけるガイドラインの指針案を発表しています。


本日は”卵巣の反応が良い方に対する卵巣刺激”ご紹介致します。


①GnRHアンタゴニスト対GnRHアゴニスト
PCOでない卵巣機能のよい女性に関するメタアナリシスはなく、2017年のPCOを含んだRCTでは、生児獲得率は同程度だが、OHSS発生頻度はアンタゴニストの方が少なかったという結果でした。他の論文では、臨床妊娠率、OHSS発症頻度、採卵数は変わらないと報告されており、ガイドラインでは、


GnRHアンタゴニスト法は、安全性と有効性に関して、PCOS女性に推奨されています。(strong)
GnRHアンタゴニスト法は、安全性および有効性に卵巣機能のよいと推定される女性に推奨されています。


②クロミフェンクエン酸塩(CC)
2014年の前向き研究(128人のPCOSを含む)では、試験群(GnRHアンタゴニスト+rFSH+CC)と対照群(GnRH拮抗薬+rFSH)を比較したところ、臨床妊娠率、採卵数、成熟卵数に有意差はなかったと報告しています。
2017年の後ろ向き研究(174人のPCOSを含む)では、試験群(CC+hMG+MPA)と対照群(hMG+MPA)を比較したところ、対照群(hMG+MPA)で採卵数、成熟卵数が有意に多い結果でした。


刺激プロトコールにおけるゴナドトロピンにクエン酸クロミフェンの併用は、卵巣機能のよいと推定される女性にはおそらく推奨されない(Conditional)


③アロマターゼ阻害剤
181人のPCOS患者を対象とした1件の後ろ向き研究において、Long法にアロマターゼを併用する群都しない群を比較したところ、OHSS率、臨床妊娠率、採卵数に有意差はありませんでした。


卵巣機能のよいと推定される女性において刺激プロトコールにおいてゴナドトロピンにレトロゾールを併用することを推奨する証拠は不十分(Conditional)


④減量プロトコール
2017年の521人の卵巣機能のよいと推定される女性を含む1件のRCTでは、GnRHアゴニストまたはGnRHアンタゴニストのいずれかで低刺激法(100 IU FSH)、従来法(150 IU FSH)を比較しています。継続妊娠率、1サイクル目の生児獲得率(新鮮および凍結保存胚)は同程度と報告され、 低刺激法は、従来法と比較してOHSS率が有意に低いというものでした。


GnRHアゴニスト法を行う場合、ゴナドトロピン投与の減量は、卵巣機能のよいと推定される女性におけるOHSSのリスクを減らすために推奨されます。(Strong )
しかし、ガイドラインはアンタゴニスト使用を推奨しています。


⑤MILD STIMULATION
⑥MODIFIED NATURAL CYCLE


FSH投与量を少なくして刺激し数個の卵胞を発育させるMILD STIMULATIONは、報告によりさまざまな方法があります。
MODIFIED NATURAL CYCLEは、自然のLHサージを抑制したり、卵成熟を誘発するトリガーを行う目的で薬剤を使用し、一個以上採卵する方法ですが、卵巣機能のよいと推定される女性に自然周期やMODIFIED NATURAL CYCLEを行う正当化するような証拠はありませんでした

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