BMIと妊娠

BMIと妊娠についての報告は様々あります。
今回、BMI 20〜25 kg / m2であれば不妊のリスクを最小限に抑えるのに最適であるという報告をご紹介いたします。


Human Reproduction, Volume 36, Issue 12, December 2021, Pages 3141–3151


この報告は、多変数ロジスティック回帰と要因と疾患の関連を調べるメンデルランダム化を行い、BMIと女性および男性の不妊症との関連を調査しています。


ノルウェーのコホート研究です。
BMI値<15または> 60 kg / m2は除外されました。


28,341人の女性(平均30歳、平均妊娠前BMI 23.1 kg / m2)と26,252人の男性(平均33歳、平均BMI妊娠25.5 kg / m2)を対象としました。10%が不妊カップルでした。 不妊女性と男性は、年齢が高く、教育レベルが低く、喫煙歴があり、未経妊、BMIが高値でした。
リスク対立遺伝子の数に各バリアントの効果推定値を掛け、SNPの総数で割ることにより、加重遺伝リスクスコア(GRS)を計算


多変数ロジスティック回帰
妊娠とBMIの関係はJ字型でした。
・女性では、BMI値が22.1kg / m2以降で正の相関がありました。BMIが1kg / m2増加すると、BMIが20.0〜24.9 kg / m2の女性で不妊症が4%増加し、25.0–29.9 kg/m2の女性では10%および􏰀30.0 kg/m2の女性は3%増加していました。さらに、BMIが20.0 kg / m2未満の女性であればBMIの1 kg / m2の増加は、不妊症が15%低くなることに関連していました。
・男性では、BMI値が22.6kg / m2以降で正の相関がありました。BMIが1 kg / m2増加すると、BMIが20.0〜24.9 kg / m2の男性で不妊症が5%増加し、25.0–29.9 kg/m2の男性では7%および􏰀30.0 kg/m2の男性は8%増加していました。BMI値が20.0kg / m2未満の男性は関連性がありませんでした。


メンデルのランダム化分析(因果関係を考察できる)
GRSの各1単位の増加は、女性のBMIの0.044 kg / m2のBMIの増加に関連していました。BMI値が22.8kg/ m2を境に、遺伝的に予測されたBMIと女性の不妊症との間にJ字型の関係がありました。
GRSの各1単位の増加は、男性のBMIの0.033 kg / m2の増加に関連していました。BMI値が25.0 kg / m2を境に、男性の遺伝的に予測されたBMIと不妊症の間に非線形のJ字型の関連性が観察されました。


<まとめ>
多変量解析とメンデルのランダム化分析から得られた知見は、BMIが女性と男性の両方で不妊症とJ字型の関連があることを示しています。 BMI値が20.0kg / m2未満および30.0kg / m2以上の両方で、不妊のリスクが高くなりました。

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