自然胚移植周期の胚移植前日のプロゲステロン値が低いと妊娠率が低下する?

ホルモン補充周期での胚移植を行った場合、胚移植の前後の血清プロゲステロンレベルの重要性は十分に確立されています。しかし、自然周期での血清プロゲステロンレベルの重要性を分析した研究はありません。


Human Reproduction
”Low progesterone levels on the day before natural cycle frozen embryo transfer are negatively associated with live birth rates”
を紹介します。


自然周期での294個の凍結胚盤胞移植を行なった後ろ向きコホート研究です。
凍結胚盤胞移植の前日の午前8時から午前11時の間に血清プロゲステロン測定を受けています。黄体期補充の投薬を行なっていません。凍結胚盤胞移植前日のプロゲステロンレベル 10 ng / ml未満または>10ng / mlで2つのグループに分けて比較検討されています。


凍結胚盤胞移植前日の平均血清プロゲステロンレベルは、出生していない群(12.0ng / ml)と比較して、出産した群で有意に高かった(14.5ng / ml)。高プロゲステロン群(> 10 ng / ml)と低プロゲステロン群では、生児獲得率(41.1%vs 25.7%)および臨床妊娠率(48.6%vs 33.0%)でした。 高プロゲステロン群は、1.05倍生児獲得率が改善しました。 


<まとめ>
胚盤胞移植の前日の血清Pレベルが10ng / ml未満の自然周期では、血清Pレベルが10 ng / mlを超える群よりも生児獲得率が有意に低くなっていました。





膣プロゲステロン投与を行うホルモン補充療法による凍結胚盤胞移植に関する以前の報告では、胚盤胞前または妊娠初期のPレベルが約10 ng / ml未満であると、妊娠の結果が著しく損なわれることがすでに報告されています。


IVF治療を受けている多くの女性が黄体機能が弱く、自然周期の子宮内膜の受容性が低下する可能性があるため、胚盤胞移植の前日の血清Pレベル低いと生児獲得率が有意に低くなるのかもしれません。


ただこの報告は、尿検査によるLHサージの検出を行い排卵と判断しています。実際排卵を確認していません。そのため、排卵していない症例も含まれていたかもしれません。

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