クロミフェン6周期使用後に、クロミフェン継続するかどうか

クロミフェンは無排卵の方に使用されており、約75%で排卵が回復されると報告されております。しかし、妊娠するのはその半分ほどとされ、子宮内膜の発育、受容性、子宮頸管粘液および子宮血流に対するクロミフェンの抗エストロゲン効果が悪影響を与えるためかと考えられます。そのため、ゴナドトロピン注射にて卵巣刺激し妊娠tryを行うことが多いです。
子宮内膜は、クロミフェンの影響で受ける可能性が多く報告されています。


そのため、クロミフェンを6周期使用後、子宮内膜の厚さをバイオマーカーとし、クロミフェン継続するか、ゴナドトロピンに変更したほうがよいか評価した報告をご紹介いたします。


Human Reproduction
”Gonadotrophins or clomiphene citrate in women with normogonadotropic anovulation and CC failure: does the endometrium matter?”


666人をゴナドトロピンへ変更した6サイクル群(N = 331)またはCC継続した群(N = 335)に振り分けています。
子宮内膜の厚さを測定しているのは、380人(57%)で、そのうち190人がゴナドトロピンに割り当てられ、190人がクロミフェンに割り当てられました。


6サイクル目の子宮内膜の厚さは7mmをカットオフとされ


7mm以下において
・ゴナドトロピン群は79人中44人(56%)が出産、クロミフェン群は83人中28人(34%)が出産し、ゴナドトロピン群の方が1.57倍出産していた。
・妊娠までの平均期間は、ゴナドトロピン投与後4.7か月、クロミフェン投与後6.0か月と有意にゴナドトロピン群の方が短い結果でした。
・費用については、ゴナドトロピン群:4883ユーロ、クロミフェン群:2778ユーロ  



子宮内膜の厚さ> 7 mmにおいて
・ゴナドトロピン群は111人中53人(48%)が出産し、クロミフェン群は107人中52人(49%)が出産と両群変わらない結果でした。
・妊娠までの平均期間は、ゴナドトロピン投与後5.4か月、CC後5.0か月と両群変わらない結果でした。
・費用については、ゴナドトロピン群:4741ユーロ、クロミフェン群:3100ユーロ


子宮内膜の厚さについては、ゴナドトロピン群の方が周期が増えるごとにわずかに厚くなるのが確認でき、クロミフェン群は変わらない結果でした。また、クロミフェン100mgでも薄くなることはないようでした。


<まとめ>
クロミフェンを6周期使用後、子宮内膜の厚さをバイオマーカーとしたところ、子宮内膜の厚さのカットオフ値は7mmとすることができました。 6サイクル目の子宮内膜の厚さが≤7mmの女性では、ゴナドトロピンに切り替えることで、クロミフェンによる継続治療よりも出生率が向上していました。6サイクル目の子宮内膜の厚さが> 7 mmでは、CCを継続すると、ゴナドトロピンの追加費用なしで同様の出生率が得られました。

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