卵巣機能が悪い方は、ビタミンDレベルとAMH・FSHの関連はなさそう

こんにちは


今回、卵巣機能が悪い方はこのビタミンDと卵巣予備能を示すAMH・FSHの値が関連しないという報告です。


2018年9月 Fertility and Steriltyに発表された
"Vitamin D levels are not associated with ovarian reserve in a group of infertile women with a high prevalance of diminished ovarian reserve"
をご紹介いたします。


最近、様々な臓器にビタミンD受容体(VDR)がみつかり、ビタミンDの広い役割がわかってきています。ビタミンDは、肥満、免疫機能、メタボリックシンドローム、および心血管疾患、ならびに卵巣機能や卵巣機能不全および妊娠に関係しているといわれています。最近のメタアナリシスでは、適切なビタミンDレベルの女性は、ビタミンDレベルの低い女性と比較して、補助生殖技術(ART)の妊娠の可能性および出生の可能性が高いことが報告されています。


ビタミンDは、紫外線に暴露されると主に皮膚によって合成される脂溶性ビタミンです。ビタミンDを含む食品はほとんどありません。その結果、食事由来のビタミンDは全体のわずか10%-20%しかありません。食事および経皮的に生成されたビタミンDは生物学的に不活性であり、活性代謝物への酵素的変換を必要とします。ビタミンDは肝臓で主な循環型である25-ヒドロキシビタミンD(25OH-D)に代謝され、次に腎臓ではビタミンDの活性型である1,25-ジヒドロキシビタミンD(1,25OH-D)に代謝されます 。


以前の報告より25OH-Dと卵巣予備パラメータ抗ミュラー管ホルモン(AMH)およびFSHとの間の関係が示されています。本研究の目的は、卵巣予備能の低下した不妊女性における25OH-Dレベルと卵巣予備能検査(AMHおよびFSHレベル)との間に関係が存在するかどうかを調査することです。


<方法>
90日以内に25OH-D、AMHおよびFSHのベースライン測定値を有する21〜50歳の不妊女性457人が対象となりました。
患者を38歳未満および38歳以上の2つのグループに細分し、 25OH-Dレベルが3つのAMH閾値レベル(0.5,1.0および5.0ng / mL)でAMH値を予測できるかROC(Receiver Operating Characteristic;受信者動作特性)曲線を作成し検討しています。


<結果>
ROC分析では、38歳未満の女性の曲線下面積(AUC)は、それぞれ0.5ng / mL、1.0ng / mLおよび5.0ng / mLのAMH閾値について0.501,0.554および0.511であった。38歳以上の女性のそれぞれのAUCは0.549,0.545および0.557であった。(AUCが1に近いほど性能が高いモデル)
年齢、BMI、および季節変動を合わせて調整された25OH-DレベルとAMHおよびFSHを解析しても相関はみられませんでした。
これらから卵巣予備能(AMHレベルまたはFSHレベル)と25OH-Dの測定値との間に相関はなかったという結果でした。 


<まとめ>
この報告においてAMHレベルは、低および正常ビタミンDレベルを有する不妊症女性で変化しないことを見出しいます。 FSHレベルも変化せず、年齢およびBMIも同様でありました。ビタミンDは予想されたとおり季節変動を示していました。


卵巣予備パラメータとビタミンDレベルとの関係に関するこれまでの研究は、矛盾する結果を報告している。この結果は、ほとんどが卵巣予備能が低下した不妊女性の集団を研究たからと書いてありました。



ビタミンDは、様々な臓器系の生理学に関与しているが、卵巣機能および生殖生理学におけるその役割は、まだ完全に解明されていません。ビタミンDレベルが卵母細胞または胚の品質に影響を及ぼすかどうか、またはビタミンDが移植プロセスに何らかの形で影響を及ぼすかどうかは、さらなる調査が必要です。また、人種や民族性、環境が変われば結果が変わるかもしれません。











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