培養液が違えば、異数性胚率は変化するか

胚培養液はさまざまありますが、培養液により異数性率や胚発生に変化があるか調べた報告をご紹介いたします。


Human Reproduction, Volume 37, Issue 2, February 2022, Pages 226–234


176人より獲得された胚を、2PN確認後、各患者の胚をSAGEまたはグローバル培養液で培養するために分けられました。すべての胚は、EmbryoScope +のタイムラプスインキュベーターで培養されています。着床前遺伝子検査の胚性生検は、胚盤胞の段階で実施されました。
各培養液で培養された胚の異数性率が調査されています。その他、胞胚胞形成率(胚盤胞形成/ 2PN)、最良好胚盤胞形成率、正倍数性率が含まれます栄養外胚盤生検におけるモザイク現象の割合も調査してます。


127人が各培地液で栄養外胚葉生検できる胚盤胞を対にできています。2PNあたりの総胚盤胞形成率は、グローバル培養液とSAGE培養液でそれぞれ73.1±27.0%と67.8±26.4%でした(P = 0.03)。最良好胚盤胞形成率は、両群間で差は認めませんでした(47.1±31.0対48.1±27.2、P = 0.87)。


異数性率、モザイク率に両群間で差は認めませんでした。


多重比較の調整後、グローバル培養液、Sage培養液で培養された対の胚間で形態動態パラメーターのいずれにも有意差はありませんでした。


<まとめ>
異なる培養液で培養された胚において、異数性率、胚発生、または形態動態に違いありませんでした。



症例数が増えても同様の結果か、他の培養液でも同じ結果か気になるところですが、大変興味深い報告でした。

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