初回体外受精に子宮内膜スクラッチをしても妊娠率改善しない

体外受精の英国の出生率(LBR)は約27%であり、世界的に成功率が近年減少しています。妊娠率を上昇させようと、さまざまことが行われています。その一つに子宮内膜スクラッチがあります。子宮内膜スクラッチは炎症性メディエーターの放出や膜の安定性に関与する子宮内膜遺伝子の調節など、子宮内膜の血管新生の誘導による影響が妊娠に関連している可能性が報告されている。スクラッチする時期や器具まだエビデンスが不足していますが、主に反復着床不全に対し行われています。


このRCTは、ICSIの有無にかかわらず、初回IVF治療を対象に、通常の治療と比較し子宮内膜スクラッチの臨床的有効性と安全性を評価しています。


Human Reproduction, Vol.36, No.7, pp. 1841–1853, 2021


合計3454人の女性が対象とされました。そのうち1048(30.3%)が通常の治療(n = 525)と子宮内膜スクラッチ(n = 523)のいずれかにランダム化されました。


生児獲得率に有意差はありませんでした。 生児獲得率は通常治療群で37.1%(195/525)、子宮内膜スクラッチ群で38.6%(202/523)でした。
1.1%で重度の先天性異常が通常治療群でのみ報告されました。新生児死亡は報告されていません。 通常治療群と比較して、子宮内膜スクラッチでは低出生体重児、超低出生体重児、低出生体重児のわずかな減少がみられましたが、生まれた赤ちゃんの重篤な有害事象はグループ間で同等でした。


<まとめ>
この研究において、子宮内膜スクラッチは安全で許容できるものの、妊娠に影響に影響せず、すべての女性に行うべきではないということを提供しています。

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