慢性子宮内膜炎について

こんにちは


本日は慢性子宮内膜炎(CE)についての報告をご紹介いたします。


“Effects of chronic endometritis therapy on in vitro fertilization outcome in women with repeated implantation failure: a systematic review and meta-analysis”


こちらはいくつかの論文をまとめた報告になります。


CEは複数回良好胚を移植しても妊娠しないような方にみられることがあり、抗生剤で治癒する可能性の高い疾患です。しかし、治療することで妊娠、出産率が上昇するか検討の余地があります。


今回の報告では、2回以上の胚移植で妊娠しなかった症例を対象に、CEの治療を評価しています。


子宮内膜生検にて形質細胞を確認しCEの診断を行っています。
慢性子宮内膜炎の治療として第一選択抗生物質療法は、ドキシサイクリン200mg /日 14日間、シプロフロキサシン1g/日とメトロニダゾール14日間投与を行っています。


下記のように分類しました。
[1] CE治療群とCE未治療群
[2] CE治療とCE治療抵抗群
[3]CE治療群と非CE群(正常な子宮内膜組織)
に分け検討しています。。


これらの群で、出産率、化学妊娠率、着床率を検討しています。


結果です。
[1] CE治療群とCE未治療群について
1つの報告では、出産率、化学妊娠率、着床率すべてにおいて有意差はありませんでした。
[2] CE治療とCE治療抵抗群について
出産・継続妊娠率(オッズ比 6.8倍)、化学妊娠率(オッズ比 4.02倍)、着床率(オッズ比 3.24倍)すべてにおいて有意差ありました。
[3]CE治療群と非CE群(正常な子宮内膜組織)について
出産・継続妊娠率、化学妊娠率、着床率すべてにおいて有意差はありませんでした。


最近の研究では、CEが脱落膜化を弱め、子宮内膜受容体に関与するタンパク質の発現を変化させることにより、着床に悪影響を及ぼし得ることを示しています。したがって、抗生物質療法は、感染源を排除し、正常な子宮内膜組織像を回復させ、子宮内膜受容性を改善し得るという考えです。


結論として、CEの治療は、反復着床不全に対するIVFの成績を改善し得ました。特に、IVFを行う前に、組織学的にCEの治療を確認すべきであるが、CEをスクリーニングで推奨するには、エビデンスがまだ不十分です。将来のランダム化比較試験が必要です。


1つの論文でのCE治療群とCE未治療群では成績に変わりないという結果は気になりますが、反復不成功例のCE治療は子宮内膜受容性を改善し得るかもしれません。



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