凍結胚移植後の培養時間

こんにちは


一般的に胚を融解したあとは3時間ほど培養し胚移植するのですが、
この報告は凍結胚移植時の融解後の培養を「1時間」「18時間」とし着床率を比較した前向き試験です。


2018年12月 Fertility and Sterilty
“Impact of post-warming culture duration on clinical outcomes of vitrified good-quality blastocyst transfers: a prospective randomized study”


をご紹介いたします。


卵巣機能の良い方の164個の胚盤胞を
グループA(「Day Before」):移植前日に胚盤胞を融解し、約18時間(16-22時間の範囲)培養し移植します。 胚移植の前に、胚盤胞が再拡張されなかった場合または変性した場合、可能であれば追加融解が行われています。
グループB(「ET-Day」):胚を移植日に融解し、約1時間(30分〜5時間の範囲)培養した後、移植しています。


この2群に分けて着床率、生児獲得率、再拡張度(融解後の広がり)、融解後・移転直前のgradeを比較検討しています。


両群において融解後・移転直前のgradeは同様で着床率、生児獲得率も変わらないという結果でした。
当たり前ですが、融解後の培養時間がグループAで長いため、移植直前の再拡張度は高く、ハッチング(孵化)した割合も高いという結果でした。


この報告によると、卵巣機能の良い方において凍結胚を前日に融解しても成績は変わらない結果であったため、培養室の業務を最適化できるのではないかということでした。
また、融解後、拡張せず戻ってこないような胚を評価し、ほかの胚盤胞を追加融解することも提案できるのではないかと報告されています。


これはグループAの胚盤胞の約12%以下が18時間後に再拡張せず、これらのは胚は着床能が非常に低いと予想され、前日の胚の融解はおそらく発育不能な胚盤胞の選択を可能にするのではないかいうことでした。


ただ子宮内膜と胚融解のタイミングがずれる可能性もあるため、高齢の方などは難しいかもしれません。

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